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日常生活やスポーツにおける身体の使い方について、いろいろ考えたことを整理してしばらく寝かせておくためのブログです。
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5年ほど前に買い集め、夢中で読んだ北方謙三の「水滸伝」(集英社文庫)。
物置の整理をしているときに見かけ、改めて読んでみたいと思うが、長い話なので躊躇している。
中一になった息子も歴史系の本が好きなので、勧めてみようと思ったのだが、エッチなシーンがいっぱいあるので、それはもうちょっと後かな。

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このオハナシは、十二世紀の北宋末期に、梁山湖一帯で実際にあった大規模な反乱を題材に、脚色が加えられ、語り継がれてきたものだという。
日本で言うと「忠臣蔵」みたいなものらしい。

「この水滸伝はスゴイ!」と評判らしいのだが、他の水滸伝を読んだことがないので、ただ単純に、面白いと思って読んでいる。

この話の面白いのは、英雄豪傑がわんさか出てきて戦をしまくるという単純な話ではないからだと思う。
反乱軍の立てこもる梁山泊を支えるために、闇の塩の道を作ったり、医師・鍛冶屋・大工・偽造の名人・計算の得意な者などいろいろな人物が現れ、それぞれの役割を果たしながら、反乱を継続している。
梁山泊の中でしか通用しない通貨も登場する。
他の水滸伝にはこういうことが描かれているのかいないのか、よくわからない。北方謙三のオリジナルだとしたら、やっぱりすごいかも。

登場人物も魅力的だ。
梁山泊側では、魯智深・安道全・公孫勝・林冲・楊志・楊令・武松・史進など、官軍側では、始めはいやなやつだと思っていた李富や袁明もいい。

だが、物足りない部分がある。
反乱軍のリーダーであり、反乱軍全員のカリスマである宋江に、どうしても魅力的を感じないのだ。
「なんでこの人のもとに、みんな集まるんだろう」なんて思ったりする。

物語の軸は、宋江の思想を魯智深が書き留め、配布する「替天行道」の小冊子なのだ。
この「替天行道」に感化され、みんなが反乱軍に加わることを決意するのだが、肝心の中味が描かれていない。
登場人物の生き様を描くのが主で、その志の内容そのものはあまり意味を持っていないというのだろうか。

続編である「楊令伝」は、なんだか楊令がスーパーマンみたいで、今一つだった。
「水滸伝」の方が完成度が高いと思う。

この本には、そういうちょっとヒネクレタ読者を引きずりこんでしまうパワーがある。
「志」なんていう言葉を使ったこともなく、「いかにうまくやるか」に日々神経をつかっている僕のような小人物に、ガツンと喝を入れてくれるのだ。
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プロフィール
【このブログについて】
スポーツのパフォーマンス向上や活動的な生活を送ることを目指して、身体の使い方やその関連の事柄を研究します。そして、その過程をブログというメディアに残してゆくことで、何かの足しになればと思っています。

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1971年生まれ 男
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