目的と目標

目的は共有できない。
が、目標は共有できる。

ボランティアで子供の陸上クラブの指導をしていると、入会の理由が実に様々で、おもしろい。

・心や体を鍛えるため
・走ることが好きだから
・体を動かしたいがスポーツに苦手意識があり、走ることなら出来そうだから
・他のスポーツをメインにやっていて、脚が速くなりたいから

と、まあこんな具合である。
一人一人の目的は違う。目的は共有できない。

しかし、「目標」は共有できる。

・全国大会出場
・自己ベスト更新
・市や県の大会で入賞

など。

これらの目標に向かって努力することで、各自の目的も達せられる。

目標が目的にすり替わってしまうことを勝利至上主義というのだろう。
目的と目標がごっちゃになっている。

子供の心身の健全育成が目的なのだから結果は二の次、というのは目的だけを掲げて目標を定めていない。

何に向かって進むのか。

特に子供たちにはわかりやすい目標が必要だ。
記録とか順位とか、そういうものだ。

時には練習に行かずに遊んでいたい時もあるだろう。
苦しいから手を抜いてしまえという誘惑もあるだろう。
だが、そういうことに打ち勝ち、目標に向かって頑張るから、心も体も鍛えられる。
支えてくれる人の存在にも気づき、感謝の気持ちも生まれる。
そういうものではないだろうか。

同じクラブの指導者でも、目的はそれぞれ違う。
だからこそ、しっかりとした、明確な目標設定が必要だ。

目指すべきものを示す。
そこに到達するためのヒントを与え、一緒に歩む。

そういう指導者になりたい。