日常生活やスポーツにおける身体の使い方について、いろいろ考えたことを整理してしばらく寝かせておくためのブログです。
以前「ピッチとストライドと疾走速度の関係」というエントリを書き、その後もそのデータについてあれこれ書いたが、今回また、しつこくそれを持ち出す。
そのエントリで私が注目したB選手とE選手のデータを改めて比較するため、その部分だけもう一度記載する。
かなり乱暴な見方ではあるが、接地時間が短ければいいというものではないらしいことが分かる。
また、ピッチが全く同じなのに、B選手はE選手よりもストライドが27cmも長い。
その内訳は接地期距離21cm、滞空期距離6cmである。
つまり地面についている距離と時間が長い。
地面についている時間と距離が長いということはそれだけ力を加えることができるということなのではないだろうか。
このことについて、私はこう考える。
接地時間は接地期の重心の移動速度と接地期距離によって決まるのであり、接地時間が重心の移動速度を決めるのではない。
つまり、接地中の移動速度が速くなれば地面についていられる時間も必然的に短くなるのであって、接地時間を短縮することで疾走速度を上げようとすることは順序が違うのではないかと思うのだ。
私が「接地時間を短く」という指導が間違っていると考えるのは、それでは地面をはじくような走り方になってしまうと思うからだ。
私も現役時代はそのような意識で走っていて、そのせいだけではないのかもしれないが、両アキレス腱を痛めて走れなくなり、さみしく引退したのだ。
その後、マスターズ大会に参加するため再び走り始めたのだが、アキレス腱を痛めないためかかとをついて「そーっと」走る方がスムーズに走れるような気がしている。
ではどうしたら接地期の速度が上がる(体が素早くに前に出る)のか。
①脚を前に出すタイミングを早くする、②接地脚の膝を前に落とす感じで走る、③腕と脚の動きのタイミングを合わせる、等が考えられる。
特に子どもたちには①が有効だと思い、私が担当しているキッズ陸上クラブの指導ではこれを強調している。
速い子と遅い子を比較すると、速い子は脚が前に出るタイミングが速く、すぐに次のステップに移っている。
遅い子は、極端に言うと片足が接地してからもう片方の脚が前に出てくる感じで、次のステップに移るのがワンテンポ遅れる。
一歩ごとにワンテンポ違えば100mでは相当な差になってしまう。
ただ、これも冒頭の接地時間と疾走速度の関係のように、私が結果をみてそれが原因だと見誤っているという可能性も大いにある。
つまり、何かの原因があって脚が出るのがワンテンポ遅れているのかもしれず、そうであれば、「脚を出すタイミングを早く」という指導は全くの的外れである。
だらだらととりとめがなくなってしまったが、今回書き留めておきたかったのは、「結果と原因」ということである。
こんなことを考えるようになったのは、最近「アフォーダンス(affordance)」という考え方に触れたからかもしれない。
このことについては、また改めて書いてみたいが、まだ全然理解できていないので、いつになることやら・・・・
そのエントリで私が注目したB選手とE選手のデータを改めて比較するため、その部分だけもう一度記載する。
ここで私が注目したいのは、B選手とE選手の違いである。B選手はE選手よりも接地時間が長いにもかかわらず、疾走速度はE選手よりも速い。
B選手は測定時、最も疾走速度の高い選手であり、E選手は男子の中で最も疾走速度の遅い選手である。
身長をストライドと身長比から逆算すると、B選手=175.7cm
E選手=171.4cmであり、それほど身長差があるとは言えない。
ところが、疾走速度はB選手=11.49m/sと大きな差がある。
E選手=10.19m/s
その違いはストライドにあるようだ。
B選手= ストライド 2.37m(身長比 1.349) ピッチ 4.85歩/秒このデータからもわかるように、両選手ともピッチは全く同じだが、ストライドが明らかに違う。
E選手= ストライド 2.10m(身長比 1.225) ピッチ 4.85歩/秒
この違いはどこから来るのか。
ストライドとピッチの分析を見ると
B選手= 接地期距離 1.10m 接地時間 0.099秒滞空期距離 1.27m 滞空時間 0.107秒E選手= 接地期距離 0.89m 接地時間 0.083秒滞空期距離 1.21m 滞空時間 0.123秒となっている。
B選手は1回の接地でE選手よりも大きく進み、さらに短時間で遠くまで跳んでいる。
特に滞空時間を見ると、E選手はB選手よりも滞空期距離が6cm短いにもかかわらず、より多くの滞空時間を要している。
このことは滞空時間比(滞空時間/接地時間)を比較するとはっきりとわかる。B選手= 1.08E選手はB選手に比べ、「間延び」した走りと言えるだろう。
E選手= 1.48
かなり乱暴な見方ではあるが、接地時間が短ければいいというものではないらしいことが分かる。
また、ピッチが全く同じなのに、B選手はE選手よりもストライドが27cmも長い。
その内訳は接地期距離21cm、滞空期距離6cmである。
つまり地面についている距離と時間が長い。
地面についている時間と距離が長いということはそれだけ力を加えることができるということなのではないだろうか。
このことについて、私はこう考える。
接地時間は接地期の重心の移動速度と接地期距離によって決まるのであり、接地時間が重心の移動速度を決めるのではない。
つまり、接地中の移動速度が速くなれば地面についていられる時間も必然的に短くなるのであって、接地時間を短縮することで疾走速度を上げようとすることは順序が違うのではないかと思うのだ。
私が「接地時間を短く」という指導が間違っていると考えるのは、それでは地面をはじくような走り方になってしまうと思うからだ。
私も現役時代はそのような意識で走っていて、そのせいだけではないのかもしれないが、両アキレス腱を痛めて走れなくなり、さみしく引退したのだ。
その後、マスターズ大会に参加するため再び走り始めたのだが、アキレス腱を痛めないためかかとをついて「そーっと」走る方がスムーズに走れるような気がしている。
ではどうしたら接地期の速度が上がる(体が素早くに前に出る)のか。
①脚を前に出すタイミングを早くする、②接地脚の膝を前に落とす感じで走る、③腕と脚の動きのタイミングを合わせる、等が考えられる。
特に子どもたちには①が有効だと思い、私が担当しているキッズ陸上クラブの指導ではこれを強調している。
速い子と遅い子を比較すると、速い子は脚が前に出るタイミングが速く、すぐに次のステップに移っている。
遅い子は、極端に言うと片足が接地してからもう片方の脚が前に出てくる感じで、次のステップに移るのがワンテンポ遅れる。
一歩ごとにワンテンポ違えば100mでは相当な差になってしまう。
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【このブログについて】
スポーツのパフォーマンス向上や活動的な生活を送ることを目指して、身体の使い方やその関連の事柄を研究します。そして、その過程をブログというメディアに残してゆくことで、何かの足しになればと思っています。
【管理人について】
1971年生まれ 男
元陸上競技400mハードラー
メールはこちら
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