ウオールスライドは背後の壁を踵がスライドするようなドリルです。
A
ボンポンポンポンと、いわゆる「もも上げ」(ハイ・ニー)のように行いますが、「もも上げ」と違うのは、踵をお尻に”引っ込める”つもりでやるところです。
自分のすぐ後ろに壁があるとして、そこに踵をぶつけないように実施します。
私はこのドリルの目的を、ランニング中に脚が後ろに流れることを矯正するためのものと位置づけています。
矯正のためのアプローチですから、本来のランニングで意識すべきこととは異なります。
B
本来ランニングで意識することは、引き出した膝の真下で地面を押し、その脚に重心を乗せて前に送り出すことです。
しかしながら、とくに子供がイラストBのように走るためには、いくつかの段階があると思うのです。
C
いきなりイラストBのように走ることを求めると、このように腰が落ち、努力の割には前に進まない走りになります。
「膝を前に引き出す」といっても、実際は大腿や膝の軌跡は股関節を中心にした円運動です。
支持脚の押しと遊脚のスイングを連動させることを「膝を前に出す」と表現しているのです。
身体を動かすとき、意識しやすいのは中心より末端です。体幹よりも足先や手先です。
子供たちが意識するのも足先です。どんなに見本を見せても、足先を前に出そうとして、結果的に足先を振り上げてしまうのです。
ウオールスライドでは、ももや膝については指示しません。
足先を後ろの壁にぶつけないように注意しながら、踵をお尻に引っ込めることだけに集中させます。
そうすることで意識しなくても自然に膝が前に引き出されます。
そのまま徐々に歩幅を広めてランニングに移行してゆくと、子供ながらになかなか良い走り方になっています。
D
「踵でお尻をたたく」という指示の仕方だと、このようになってしまいます。
脚が後ろで動いているので、走りに移行できません。
イラストBのイメージが出来ている選手には、ウオールスライドはやってはいけないドリルなのかもしれません。
イラストAのような”脚の巻き込み”は、イラストBのように動くイメージでハイスピードでタイミングよく膝を前に引き出した”結果”なのであって、意識するべき動きではないからです。
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スポーツのパフォーマンス向上や活動的な生活を送ることを目指して、身体の使い方やその関連の事柄を研究します。そして、その過程をブログというメディアに残してゆくことで、何かの足しになればと思っています。
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