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日常生活やスポーツにおける身体の使い方について、いろいろ考えたことを整理してしばらく寝かせておくためのブログです。
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僕の本棚に「海馬-脳は疲れない-」(池谷裕二・糸井重里 新潮文庫 平成17年7月1日初版)という本がある。
何度も読んでいる本だが、最近久しぶりに読んで、改めて感銘を受けた。
それをメモがわりに、ここに記しておくことにする。
メモなので、言葉や文章の引用や要約があちこちにあることを、あらかじめお断りしておきます。

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「センスは記憶」という言葉が出てくる。

脳の機能を煎じつめると2つに集約できる。
「情報を保存する」ことと「情報を処理する」ことだ。
どちらが大切かといえば、前者「情報を保存する」つまり記憶である。
記憶がなければ処理もありえないからだ。

脳の働きのほとんどは記憶で説明できる。ノウハウなども何かをするための方法を記憶しているのである。
単なる暗記を「意味記憶」、自転車の乗り方や難問を解決する筋道など、自分で試してみなければわからないことの記憶を「方法記憶」という。

この本ではわかりやすくするため、意味記憶を「暗記メモリー(WHATの記憶)」、方法記憶を「経験メモリー(HOWの記憶)」と言い換えている。
クリエイティブな仕事も「HOWの記憶の組み合わせ」と捉えると、感性や創造性やセンスは人に伝えられるし学ぶこともできると考えられる。

なぜこの部分に感銘を受けたのか考えてみると、ミニバスケットチームでのあるプレーを見たからだと思い当たった。

ゲーム形式の練習のとき、ある4年生の子が、ゴールを背にしてパスをもらい、振り向きざまにシュートした。
残念ながらシュートは入らなかったので、そのプレーがあまり目立つことなくゲームが流れていったのだが、僕は思わず「ナイスシュートォ!」と叫んでしまった。
そのくらい、かっこ良かった。

通常はボールをもらってから「どうしよう」と考えている子がほとんどである。
そのプレーもたまたまだったのかもしれない。
現に「ナイスシュート」と言われた本人がキョトンとしていた。
でも、そういうちょっとした経験の蓄積とその組み合わせが、良いプレーの元となるのかもしれないなぁ、と感じたのだ。

だとすれば、僕ら指導者のやるべきことは、子供たちにテクニックや方法論を教え込むことではなく、「センスは生まれつきでなく、HOWの記憶の組み合わせとして学ぶことができるんだよ」と勇気づけることなのだと思う。
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スポーツのパフォーマンス向上や活動的な生活を送ることを目指して、身体の使い方やその関連の事柄を研究します。そして、その過程をブログというメディアに残してゆくことで、何かの足しになればと思っています。

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1971年生まれ 男
元陸上競技400mハードラー

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