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日常生活やスポーツにおける身体の使い方について、いろいろ考えたことを整理してしばらく寝かせておくためのブログです。
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以前、知り合いの研究者の方と「情報技術のスポーツ分野への活用の可能性」というテーマでメールのやり取りをしました。
1年以上前でしたが、そのメールがメールボックスに残っているのを発見しました。
現在でもずっと考え続けているテーマなので、ここに抜粋し、転載して残しておこうと思います。
整理整頓が苦手なのもたまには良いこともありますね。

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お互いに知り合い同士なので、実際には実名でやり取りしていますが、ここには仮名で転載します。
hao80は僕、okは研究者の方です。
ちなみにokさんは、3DCGを用いた動作学習支援システムの構築の研究をしていらっしゃる方で、バドミントンプレーヤーです。

from:hao80 (2006.05.09)

(前略)
コンピューター関連の様々な事柄について考える時に、必ずついて回るのが「バーチャルであること」なのではないでしょうか。
その対義語は「リアル」でしょうか。
普通の感覚では、「リアル」の方が上等だとされていますよね。

小学2年生の私の息子が、そろそろコンピューターゲームに興味を持ち始めています。
同級生の中には既に持っている子も大勢いるようです。
当分買い与えたくはないのですが、ではなぜ、コンピューターゲーム機を持たせたくないのか。
漠然と、「バーチャルである」ことに対して嫌悪感を抱いているのだと思います。
親としてやってほしい遊びとは、野球・サッカー・虫とり・釣り・模型づくり・・・・などなど、ぜーんぶ「リアル」なことなんですね。

しかし考えてみれば、世の中バーチャルで動いている気がしてなりません。
例えば私の給料。
会社から私の口座に現金が移されるわけではなく、通帳の数字が増えるだけです。
そもそも、”口座”だって物質としての”入れ物”が存在するわけではないですよね。

そういうことを考えていくと、「リアル」や「バーチャル」とは何なのか、果たしてバーチャルであることは悪いことなのか、バーチャル世界がリアル世界を動かしているのではないか、ということが大変気になるわけです。

情報技術を様々な分野へ活用しようとする時、このリアルとバーチャルという問題は避けて通れませんよね。

そこで、まず始めに、これらの考え方を整理したいと思います。
「リアル」「バーチャル」とはどういうことなのか、どうとらえてゆけば良いのか、ご意見をいただけないでしょうか。

ものすごく漠然とした質問ですが、よろしくお願いします。

それをある程度整理できれば、どうコンピューターと付き合ってゆけばよりメリットが引き出せるのか、というようなことを考えやすい気がします。

from:ok (2006.05.10)

hao80さんのメールを読ませていただいて、いきなりファジーで難しいテーマだなと思ってしまいました。
リアルは「現実の世界」、バーチャルとは「仮想の世界」っていう理解でいいんですよね。

リアルが上等とか、バーチャルが悪いとかって言うのは一概に言えない気がします。
私は絵を描くのが趣味で勉強していますが、具象画と抽象画のどっちが正しい絵の描き方かって聞かれても・・・・・答えのない問題ですよね。それぞれ役割分担があると思うんです。

例えば、現状の記録を残す目的だったら具象のほうが適しているし、心情とかイメージとか、物理的な実体を持たないものを表現する場合には、抽象のほうがより見る人に伝わるんではないでしょうか。
それと同じで、バーチャルっていうのは、目に見えないものをぱっと見で理解できるようにしたり、安全などの理由から実施できない実験のかわりに結果を予測するための手段だったのではないかと思います。

でもやっぱりバーチャルの技術っていうのは、現実を理解し易くたり、便利にしたりするための道具にしか過ぎないと私は思います。悪いものだといっているのではありませんよ。むしろなくてはならないものになっていると思います。
でも現実世界との区別をしっかり認識した上で利用しなければ、危ないものになってしまう可能性はあるかもしれないですね。

(後略)

from:hao80 (2006.05.11)

「とっかかり」といった割には、いきなり答えづらい質問で申し訳ないです。

情報技術を活用するという話をした時に、否定的な見方をする人からは「所詮は現実じゃないんでしょ?」と片付けられてしまう気がします。
私も最近までは、どちらかというとそういう見方でした。

そこで「バーチャルだからできること」「バーチャルならではの有用性」をしっかりとらえておく必要性を感じています。
スポーツで言えば、イメージトレーニングなどはその良い例だと思います。

最終的には、コンピューターやインターネットなどの利点をいかに引き出して活用するか、ということに興味があります。
サジを投げずにお付き合いください・・・・・・。

from:hao80 (2006.06.06)

ご無沙汰です。

最近、おもしろいなぁと思っていることがありますので、メールします。

ウチの息子(小学2年生)が最近、野球に興味を持ち、庭でキャッチボールやバッティングをやっています。
3~4歳ごろからオモチャのバットとボールを与えて遊ばせていたのですが、その頃は全然興味がなく、すぐに飽きていました。
昨年からなぜか急に興味がわいてきたようで、しょっちゅう相手をさせられます。

おもしろいことというのは、ボールを打つフォームが変わってきたことです。
バットを与えた3~4歳頃は、向かってくるボールに対し、上からバットを叩きつける「大根切り」でした。ところがいつのまにか横に振って、けっこう遠くまで飛ばせるようになっていました。
4歳の娘にやらせると、やっぱり「大根切り」なのです。
幼児が自然に行う「打つ」動作は「大根切り」なのか?
彼の中で、どういうイメージの変化があったのか?(今度、本人にじっくり聞いてみたいと思います)

残念ながら、最近ふと気が付いたことなので、フォームの変化の過程がわかりませんが、とても面白いと思いました。

我々があたりまえに行っている動作というのは、肉体の本来持っている自然な動きと相反するものが多いのかもしれませんね。
だからこそ、技術の習得が必要だし、「障害」も起きるのでしょうね。

from:ok (2006.06.07) 

hao80さんのお子さんの話、面白いですね。以前に聞いたピアジェさんという有名な児童心理学者のことを思い出しました。
ピアジェさんによると、子供の知能(思考)の発達は、階段状になっていて、その階段を上がるスピード(年齢)には個人差はあるけれども、クリアしていく階段の内容(順序)はみな同じなのだそうです。

まず階段の1段目は感覚運動的知能期(0歳~2歳)というそうです。目的のために体を動かすことができるようになる時期です。
物を取るために手を伸ばすとか、見えないものを探すとかですね。生まれてすぐにはなかった「空間や道具に対する認識」が生まれる時期だそうです。

次の段階は前操作期(2歳~7歳)です。前操作期という言葉は操作期の前ってそのまんまの意味らしいですけど、ものまねやごっこ遊びができるようになる時期だそうです。でもまだ自己中心的な思考しかできず、自分と他者(または道具)との相互作用が理解できません。
バットをどのようなフォームで振ったら、どのような軌道を描くかっていう感覚が身についていないというようなことでしょうね。

3段階目は具体的操作期(7歳~12歳)といい、抽象的な考え方ができるようになります。また空間の保存や他者との相互作用が理解できるようになります。
例えば、キャッチボールなどで、ボールを受ける人の距離を考えて投げる力を加減することなどができるようになります。

4段階目は形式的操作期(12歳~14歳)というそうです。「もしもこうしたらこうなるかも・・・」といったように仮説をたてて論ずることができるようになるのだそうです。

hao80さんちのお嬢ちゃんは第2段階で、お兄ちゃんはこの第3段階目に入ったって事でしょうね。バットをどう振ればよりボールに当たりやすくなるかとか、ボールの軌道に対してバットをどう出せばいいかとかを理解できるようになったってことではないでしょうか。

野球とかバドミントンとかの道具を使うスポーツは、7歳前後に体験させて運動感覚を養うのがよいと言われますが、多分こういう発育発達の段階を踏まえてるのでしょうね。
いろいろ試してみるっていうことができるようになるのが第4段階目であることを考えると、動作の修正のための学習や、配球に対する学習を始めるのは、12歳ごろからが適しているってことなのかな?

from:hao80 (2006.06.09)

okさん、大変興味深い話をありがとうございました。

息子にバッティングについて聞いてみたところ、案の定「わからん」とのことでした。
いつの間にかこういう打ち方になっていた、と他人事のように言っていました。
論理的に考え、仮説を立て、実行し、結果を検証し、また仮説を立て・・・という段階ではないのですね。
でも、ここが一番おもしろい、オイシイところなんですけどね。
この楽しみをいつか味わってほしい、と思います。

道具を使うスポーツでは、バドミントンでこんな例があります。
私が受け持っていた、中高齢者のスポーツ教室でのことです。
バドミントンをやったのですが、受講者の方が一番てこずっていたのは、アンダーハンドでのサーブです。
右手でラケットを持ち、左手でシャトルをつまみ、ラケットを下から振るのですが、どうしてもラケット面に当たらず、シャフトのあたりに当たってしまうのです。
ハゴイタのように体の正面で打ち合うラリーは結構続くのですが、下から打つのは相当難しいようでした。
自分のイメージと実際のラケットの軌跡とがずれているのは、当然本人もわかっています。
大人ですからね。
でも、どう修正したらよいのか私も悩み、受講者も悩み、あーでもないこーでもないといろいろ試してゆくうちに、なんとなく出来るようになってしまいました。
ここを”なんとなく”ではなく、「こんな感じでラケットを振るといいですよ」なんてアドバイスできたらカッコいいんですが・・・。

カヌーイストの野田知佑(のだともすけ)氏のエッセイ「のんびり行こうぜ」(小学館)にこんなくだりがあります。少し長いですが、引用して紹介します。

ぼくが大学でボートを漕いでいた時のコーチは、身近な例を持ち出して教えるのが実にうまかった。
ボートやカヌーではオール(カヌーではパドルという)を水に入れてうまく水を掴む一連の動作をキャッチという。
これが初心者にはちょっと難しい。オールを下手に叩きこむと水を割ってしまい、漕いでも推進力にならないのだ。
丸く半円を描くようにしてオールを素早く入れるとうまく水が掴めるのだが、それをコーチはこんな風に言った。
「キャッチは女の尻をなでる時の要領でやれ、お前ら、ワカッタカ」
当時、ぼくのクルーは全員、純真無垢の正しい青年がそろっていて、女の尻はおろか手を握ったこともない奴ばかりでさっぱりワカラナイ。
みんなで顔を見合わせて途方にくれたものである。
それで練習中フネを止めて真剣な顔つきで前の座席で漕ぐ奴の尻をなでたりした。
知らない人が見たら、きっと誤解したと思う。

okさんは3DCGを使った動作学習の研究で、動作イメージと実際の動作のずれを認識し、どう修正するかということについて研究されたんですよね。
私は、動作イメージよりもっと漠然とした”感覚”について、とても興味を持っています。

ボートを漕ぐ感覚を女性のお尻をなでることに例えるように、上級者の感覚が何らかの装置で疑似体験できればスポーツの上達がものすごく早くなりそうですよね。

from:ok (2006.06.13)

バドミントンのアンダーサーブは初心者の子供たちに教えるときも非常に苦労します。

アンダーサーブで遠くに高い軌道でシャトルを飛ばそうとするときには、まず肩をまわし、次にひじを回し、最後に手首を回します。
初心者の場合には、肩からラケットの先までが一本の棒のようになってしまって、肩の円運動だけで飛ばそうとしてしまいます。
あるいは手首を回すのでなく、折りたたむような動作で、ラケットの面を直線的に動かそうとする人もいます。
やっぱりどのような動作をすればラケットがどのような軌道を描くかという感覚が身についていないからなんですよね。
いろいろやっているうちにできるようになったって言うのは、この感覚のずれを自然と修正しているからなんでしょうね。

hao80さんが引用されたオールをこぐ動作をお尻を撫でる動作に例えるというハナシ、まるっきり同じことを昔言われました。
バドミントンにはシャトルのスピードを殺して相手のネット際に落とすヘアピンというショットがあるのですが、これをうまくやるコツということで、先輩から「女の子のお尻を撫でるようなタッチで」と言われました。
はっきり言って、私はお尻を撫でる感覚とヘアピンの感覚は違うものだと思っているのですが、多分その先輩にとってはお尻を撫でる感覚と同じものだったのでしょうね。

動作の経験と、それによって学習され記憶される感覚にも個人差があります。
ですから、すべての人が理解できる説明方法を見つけるのは非常に難しいのではないかと思います。
ですが、オールにしてもヘアピンにしても、「漕ぐ」とか「打つ」とかいう言葉よりも、「撫でる」と言う言葉のほうが、その動作を習得するのには適しているというのはあるのかもしれないですね。
いろんな言葉で動作の感覚を表現してみるっていうのは、指導する際にとても有効だと思います。
問題の個人差は”何を”撫でるのかって部分かもしれませんね。

ちなみに私の場合は、フォアハンドで打つときには、人差し指と中指の付け根(動物で言ったら肉球のある部分?)のところでシャトルを「つかむ」ような感じで打ちます。
バックハンドの場合は、親指の腹で「押し出す」感じでうちます。
どちらにしてもラケットの面が手の延長というか手のひらと一体化しているような感覚になったときが、一番調子よく打てるときだと思っています。

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スポーツのパフォーマンス向上や活動的な生活を送ることを目指して、身体の使い方やその関連の事柄を研究します。そして、その過程をブログというメディアに残してゆくことで、何かの足しになればと思っています。

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1971年生まれ 男
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