まず、ここでの中腰姿勢とは、バスケットボールなどでよく見られる姿勢で、前後左右どちらの方向にもすばやく移動できる姿勢のことをさすものとします。
ここで、言い訳がましく断りを入れておくと、僕はバスケットボールもサッカーも、「体育の授業でよくやったなぁ」という程度のレベルなので、そのスジの方が読んだら、的外れなことを書いているのかもしれません。
僕が無知を承知でこのようなブログを運営しているのは、自分の考えていることを文章化することで頭を整理する為です。
ですから、内容に関してご指摘があれば、どんどんコメントしていただきたいのです(やさしくね)。
そもそも、中腰姿勢をとる目的は何でしょう。
重心を低く支持面を広くすることで身体を安定させるため、そして、前後左右どの方向にもすばやく重心を加速・停止させるためだと思います。
hanautaさんからいただいたコメントは、「上手な子と下手な子とでは中腰姿勢に違いがあり、下手な子は一呼吸遅れてしまう」という趣旨のものでした。
そのコメントをもとに想像し、上手な中腰姿勢と下手な中腰姿勢を図にしてみました。
イラストの ”A” ”B” とも中腰姿勢です。
”A”は膝が前に出てお尻を真下に落とす感じで、背中も曲がっています。
”B”は後ろのいすにお尻を下ろすような感じで、膝が前に出ず、背筋も伸びています。
かなり乱暴に分けると、下手な子は”A”の姿勢、上手い子は”B”の姿勢だと思います。
”A”の姿勢は重心位置があまり下がらず、不安定です。また、この姿勢ではすばやく反応しようにも脚の力が上手く地面に伝わらず、重心の急加速・急停止が難しいと思います。
”B”の姿勢は膝を曲げてお尻を後ろに落とすことで、重心位置が下がり安定します。膝と股関節が十分に曲がっていつでも地面に力を伝える準備が出来ています。
では、”A”の姿勢になってしまうのはなぜでしょう。
股関節やハムストリングスの柔軟性不足、大腿四頭筋や大臀筋やハムストリングスの筋力不足、などのいろいろな要因が考えられると思います。
しかし、僕が注目したいのは、身体の使い方の感覚なので、無理やりそっちに話を持っていきます。
脚と胴体の境目はどこだと思いますか?
そう、「股関節」です。
「股関節」は腸骨、坐骨、恥骨からなる寛骨の中央に位置する寛骨臼と大腿骨頭から構成されています。
本当の意味での股関節は身体の深いところにあるので、体表から触ることが出来ません。
しかし、身体の動かし方をイメージするため、場所をつかんでおく必要があります。
いちばんわかりやすいのは大転子。お尻の横のくぼみのちょっと前あたりに手で触るとグリグリするところがそうです。
もも上げにしろ、腰を落とすにしろ、ここが胴体と脚の境目であり、ここから脚を動かす意識を持つと脚を動かしやすいです。
ところが子供たちに「どこからが脚だと思う?」と尋ねてみると、腰骨(=腸骨稜)あたりをさす子が結構たくさんいます。子供に限らず大人も同様です。
陸上競技などでよく言われるような「わき腹から脚が生えているように走る」という”例え”ではなく、本当に腰骨からが脚だと思っているのです。
これは、走る・歩く・しゃがむ等の際、常に自分の動かそうとする部位と実際の骨格の動きとがズレているということです。
話を中腰姿勢に戻すと、イラスト”A”の姿勢になってしまう要因を、僕は次のように推測します。
『骨格は股関節から曲がるようにできているのに、本人は腰骨から曲げる意識を持ってしまっているため、思うように腰を落とせず、その代償動作として背中を曲げて顔を下げ、目線を下げることで低い中腰姿勢をとろうとしているのではないか。』
では、もし仮にこの推測が当たっていたとして、この”邪魔もの”を取り除くためにはどうアプローチすれば良いのでしょうか。
股関節を意識させ、そこから脚を動かすことを”あたりまえ”にしなければなりません。
子供たちの様子を良く見て、上手く誘導できたらいいなと思いますが、なかなか難しそうですね。
僕の推測の検証も含めて、今後の課題です。
ちなみに、ミニバスケチームの専門コーチたちも「子供たちは中腰姿勢が苦手」ということを言っていました。
その理由について雑談してみましたが、なんともマヌケな会話でになってしまいました。
「今の子供たちは洋式トイレが主流だからじゃない?和式って今、あんまりないし。」
「でもマイケルジョーダンは和式でしないでしょ?」
「あ、そっかー。じゃ違うね。」
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個人的には、「椅子に座る文化がない」にもかかわらず、「椅子に座る時間が長い」ことに原因があるのではないか、と、思っています。
小中学校の授業参観などで子供達の座り方をみると、ほぼ全員が A を助長するような座り方をしていますよね。
面白い仮説ですね。
ということは、「椅子に座る文化がある」国や地域の人たちは自然に”B”の姿勢をとれるのでしょうか?
もし仮に、”B”の姿勢が望ましいとして、それが「椅子に座る文化」があるなしに由来するものだとしても、我々現場の指導者はそれをどうすることもできません。
我々のやるべきことは、どうしたら”B”の姿勢を自然にとれるようになるのかを考え実行することであり、「国民性や文化の違いだから仕方がない」と(傍観者のように)嘆くことではないと思います。
また何か面白い意見がありましたらどんどん書き込んでください。
スポーツのパフォーマンス向上や活動的な生活を送ることを目指して、身体の使い方やその関連の事柄を研究します。そして、その過程をブログというメディアに残してゆくことで、何かの足しになればと思っています。
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1971年生まれ 男
元陸上競技400mハードラー
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