日常生活やスポーツにおける身体の使い方について、いろいろ考えたことを整理してしばらく寝かせておくためのブログです。
先日、ウオーキングについての取材を受けた。(ウオーキングの指導員などという肩書もあるのだ。)
取材されたのは、新聞社が作る雑誌の特集記事。
この雑誌はリサイクルなど、エコ関連の記事も多く取り扱っていて、健康づくりとエコを兼ねたウオーキングというようなイメージで、なぜか僕の所に取材のオファーがあったのだ。
そこで感じたことを少し、独り言風に書いておくことにする。
取材されたのは、新聞社が作る雑誌の特集記事。
この雑誌はリサイクルなど、エコ関連の記事も多く取り扱っていて、健康づくりとエコを兼ねたウオーキングというようなイメージで、なぜか僕の所に取材のオファーがあったのだ。
そこで感じたことを少し、独り言風に書いておくことにする。
まず、ほぼ100%聞かれるのが、「歩き方」。
聞く方は「正しい歩き方」っていうのがあると思っているんだよな。
それに、そういうはっきりした「正しい答え」がないと記事にならないんだろうねぇ。
それで正直な僕は、こう答えてしまった。
「いや、そんなのないですよ。フツーに歩けばいいんです。」
その時の記者さんの何とも言えない顔・・・・。
記者さんも食い下がる。「何かあるでしょう。歩幅を伸ばすとか速足で歩くとか・・・・・」
結局記者さんは、僕にこう言わせたかったんじゃないかな。
「拇指丘で地面を蹴り、膝を伸ばしてかかとで着地し、背筋を伸ばして肘は90度に曲げ、大股で速足で20分以上歩きましょう。」と。
だけど、僕の言いたかったことはこういうこと。
「歩くことが何か特別なすごいことのように思われているけど、そうではなく、あたりまえのことなのだ。
散歩気分で毎日ちょっと歩くことの積み重ねが、長いスパンでみると、健康にもエコにもつながる。
だから、気負わず構えず、散歩を楽しんでほしい。」
僕のプレゼンの下手さで、その100分の1も伝わらなかった。
出来上がってきた記事を見て、ボーゼンとしてしまった。
記者さんがあらかじめイメージしていた(と思われる)内容なのだ。
逆に、今回、僕が勉強になったのは、いろんな雑誌や新聞記事も、担当記者さんの言葉なのであるということ。
記者さんに、「腕を振って大股で歩くんですよね?」と念を押され、「んん~、ま、それも一つの方法ではあるけれど・・・・」とアイマイに受け答えしていたら、記事では「腕を振って大股で歩きましょう」と僕が言ったことになっていた。
歩くことに限らず、スポーツのフォームは「結果」なのだと思う。
例えば、歩くとき、膝が伸びているのは、リラックスして脚を前に送り出した結果、「伸びた」のであって、「伸ばした」のではないノダ。
競歩には「ベント・ニー」といって膝が曲がっていることによるペナルティーがあるが、どこかのだれかが、それと混同して、「速く歩くには膝を伸ばせばよい」というようなことを言い出したのがはじまりなのかもしれない。
性急に「正解」を求める風潮には、正直うんざりする。
例えば、「二軸」か「中心軸」かというような議論がネット上でもよくあるが、こういうものは二者択一なのではなく、「中心だけでなく左右にも軸があるんじゃないの」という程度の話なのだ。
どちらかが正しいかなんて、答えが出るはずがない。
中心の軸を意識するか、左右の軸を意識するか、というのは、一人一人違うのだ。
左右の軸を意識しつつ中心軸を主体に考える、とかその反対に、中心軸も意識しつつ左右の軸を主体とするか、というように。
僕はこのブログで”速く走るにはどうしたらよいですか”というテーマで記事を書いているが、それも「正しい答え」が欲しいわけではない。
ピッチを上げるかストライドを伸ばすか。
そんな二者択一で解決できるものであるはずがない。
ピッチを落とさずにストライドを伸ばそうか、それとも、大きなストライドでピッチを上げようか、というようなコンセプトの違いなのだ。
どちらも方法で、良い悪いではない。
「柔よく剛を制し、剛よく柔を断つ」というように、どちらかだけではだめで、どちらもアリだし両方必要なんだよって思うことが大切なのかな。
指導者として、こういうふうに、グズグズしているやつは頼りにならないのかもしれない。
だけど、僕が一番信用ならないと思う指導者は、「それはこうすればいい」って簡単に断言してしまうヒトだ。
そうかもしれないし、そうではないかもしれない。
白でも黒でもなく、グレー。
真実はそのグラデーションの中にこそある。
僕はそう思っている。
虹は7色ではない。
見る人によって何色にでも見える。
5色だったり20色だったり。
農家の方からこんな言葉をきいて、大変感銘を受けた。
「生き物相手だから、毎年初心者だよ」
そうなのだ。
現役アスリートであれ指導者であれ、「これはこういうもんだ」と思った時点で、おしまい。
常に初心者でいられるか。
「邪魔モノ」は案外、「経験」や「知識」というちょっとやっかいなものであるのかもしれない。
聞く方は「正しい歩き方」っていうのがあると思っているんだよな。
それに、そういうはっきりした「正しい答え」がないと記事にならないんだろうねぇ。
それで正直な僕は、こう答えてしまった。
「いや、そんなのないですよ。フツーに歩けばいいんです。」
その時の記者さんの何とも言えない顔・・・・。
記者さんも食い下がる。「何かあるでしょう。歩幅を伸ばすとか速足で歩くとか・・・・・」
結局記者さんは、僕にこう言わせたかったんじゃないかな。
「拇指丘で地面を蹴り、膝を伸ばしてかかとで着地し、背筋を伸ばして肘は90度に曲げ、大股で速足で20分以上歩きましょう。」と。
だけど、僕の言いたかったことはこういうこと。
「歩くことが何か特別なすごいことのように思われているけど、そうではなく、あたりまえのことなのだ。
散歩気分で毎日ちょっと歩くことの積み重ねが、長いスパンでみると、健康にもエコにもつながる。
だから、気負わず構えず、散歩を楽しんでほしい。」
僕のプレゼンの下手さで、その100分の1も伝わらなかった。
出来上がってきた記事を見て、ボーゼンとしてしまった。
記者さんがあらかじめイメージしていた(と思われる)内容なのだ。
逆に、今回、僕が勉強になったのは、いろんな雑誌や新聞記事も、担当記者さんの言葉なのであるということ。
記者さんに、「腕を振って大股で歩くんですよね?」と念を押され、「んん~、ま、それも一つの方法ではあるけれど・・・・」とアイマイに受け答えしていたら、記事では「腕を振って大股で歩きましょう」と僕が言ったことになっていた。
歩くことに限らず、スポーツのフォームは「結果」なのだと思う。
例えば、歩くとき、膝が伸びているのは、リラックスして脚を前に送り出した結果、「伸びた」のであって、「伸ばした」のではないノダ。
競歩には「ベント・ニー」といって膝が曲がっていることによるペナルティーがあるが、どこかのだれかが、それと混同して、「速く歩くには膝を伸ばせばよい」というようなことを言い出したのがはじまりなのかもしれない。
性急に「正解」を求める風潮には、正直うんざりする。
例えば、「二軸」か「中心軸」かというような議論がネット上でもよくあるが、こういうものは二者択一なのではなく、「中心だけでなく左右にも軸があるんじゃないの」という程度の話なのだ。
どちらかが正しいかなんて、答えが出るはずがない。
中心の軸を意識するか、左右の軸を意識するか、というのは、一人一人違うのだ。
左右の軸を意識しつつ中心軸を主体に考える、とかその反対に、中心軸も意識しつつ左右の軸を主体とするか、というように。
僕はこのブログで”速く走るにはどうしたらよいですか”というテーマで記事を書いているが、それも「正しい答え」が欲しいわけではない。
ピッチを上げるかストライドを伸ばすか。
そんな二者択一で解決できるものであるはずがない。
ピッチを落とさずにストライドを伸ばそうか、それとも、大きなストライドでピッチを上げようか、というようなコンセプトの違いなのだ。
どちらも方法で、良い悪いではない。
「柔よく剛を制し、剛よく柔を断つ」というように、どちらかだけではだめで、どちらもアリだし両方必要なんだよって思うことが大切なのかな。
指導者として、こういうふうに、グズグズしているやつは頼りにならないのかもしれない。
だけど、僕が一番信用ならないと思う指導者は、「それはこうすればいい」って簡単に断言してしまうヒトだ。
そうかもしれないし、そうではないかもしれない。
白でも黒でもなく、グレー。
真実はそのグラデーションの中にこそある。
僕はそう思っている。
虹は7色ではない。
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5色だったり20色だったり。
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プロフィール
【このブログについて】
スポーツのパフォーマンス向上や活動的な生活を送ることを目指して、身体の使い方やその関連の事柄を研究します。そして、その過程をブログというメディアに残してゆくことで、何かの足しになればと思っています。
【管理人について】
1971年生まれ 男
元陸上競技400mハードラー
メールはこちら
twa☆s256.xrea.com (☆→@)
詳細はこちら
スポーツのパフォーマンス向上や活動的な生活を送ることを目指して、身体の使い方やその関連の事柄を研究します。そして、その過程をブログというメディアに残してゆくことで、何かの足しになればと思っています。
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